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頭にはコーチを飼え

  • 執筆者の写真: ホームページ 東工大ヨット部
    ホームページ 東工大ヨット部
  • 5 時間前
  • 読了時間: 9分

お世話になっております。

満を持して秋インのブログを書く、主将の髙橋です。

秋イン決勝前に同期のブログを読んでいて、レースに対する心構えというものを十分に学ばせて貰ったので、僕からは夏合宿から秋インまでの振り返りを僕個人の視点から書こうと思います。

だいぶ勝手な長いレースに関するブログなので、暇つぶしに読んでいただけると嬉しいです。


ゼミと研究に追われ続けてなんとか迎えた僕の夏休みは、なぜか紙とペンを持つところから始まりました。僕の学部にはコンピュータの知識に秀でている人しかおらず、土日もずっとパソコンと向き合えるような優秀な人達ばかりだったので、毎週ハイクアウトしかしていないような大学不適合者は、大学から嫌われて大学院入試を通して貰えませんでした。そのため、外部と一緒に筆記試験を受けろなどとひどいことを言われ、ジブシートよりもシャーペンを持つ時間の割合が増えていきました。そして一番ひどいのは筆記試験が全日本スナイプ初日の前日で、口頭試問が全日本スナイプ最終日の翌日だったことです。この院試サンドイッチを抱えながらも、少しながらヨットもやって、なんとか泣きながら最下位で院試を通過し、全日本スナイプを迎えました。


全日本スナイプは、遠藤との間で「72艇の中で上半分に入る」というのを目標にして臨みました。そして自分の中では、先輩に連れていってもらった去年の全日本スナイプよりもいい成績を取るというのを絶対の目標として臨みました。院試もまあまあの出来だと思っていたのと、直前に去年の全日本個戦のtractracを全レース分穴が開くほど見返したのである程度の良いメンタルで臨むことができました。レース前日にはコーチングを受け、大会受付をして準備は万端でした。が、初日はBFDになり、2日目もうまくスタートで有利に運べませんでした。ずっとオーバーパワーのコンディションだったため、フィジカル面で艇速では勝てず、多少は自信のあったコース引きも、全日本スナイプという国内最高峰のレースでは全くもって歯が立たず自信を喪失するのみ。2日目が終わった段階でレース展開についてコーチからお叱りを受けたことと、毎度のようにコーチに言われている、「コーチに言われずともレース中に自分たちで考える力を持て」という言葉を思い出し、3日目からは常に頭に「コーチを飼う」ということをモットーにレースを組みました。三日目と四日目でも相変わらずオーバーパワーでしんどいコンディションではありましたが、セールセットや海面のエッジに出し直すタイミングなどの至る所を頭の中のコーチに尋ねて、コーチだったらなんて言うかなと考えることで少しずつリザルトが良くなっていくのを感じ、その都度、頭の中のコーチに感謝していました。

結果としては、43位/72艇であり、ペアで目標としていた上半分に入る目標には届きませんでしたが、ガタイの良い社会人の人たちがたくさんいるかつ、あのコンディションで自分らが3,4日目のようなリザルトを出せるというところにある程度の自信はつけることができました。この時から、「コーチを飼う」という言葉がチームの中で共通語になりました。

部員のブログなどは、コーチは絶対に見ないと思っていたのですが、ここ最近、急にコーチがブログの話をするようになったので驚いています。この内容自体はコーチがおっしゃっていることの体現なので大丈夫だと思いますが、「飼う」というワード自体が許されるかわかりませんが、一か八かでこのブログに書いてみます。どうか許してください。


全日本スナイプが終わり、全日本個戦期間になり合同練が寂しくなるかと思っていましたが、裏個戦を開催していただいたことにより(ありがとうございます)、全個に出られなかった悔しさを紛らわすことができました。3艇がまとまって前を走れていたことと、3年生ペアが前を走り出していることに非常に嬉しさを感じました。ついこの前まで、合同練習では最下位争いをしていたという認識だったのですが、全個組がいないとはいえ、みんながシングル付近にいることに来年への期待が大きくなったことを覚えています。


裏個戦で得た"ままあん"ご飯権、無事先日使用
裏個戦で得た"ままあん"ご飯権、無事先日使用



全個組が帰ってきて合同練も盛んになり、決勝まで1ヶ月というところから、スナイプのお兄さんペアとしてお馴染みの746ペアがメキメキと速くなり、合同練でも前を走るし、セーリングでもぐんぐんと前に出るようになり自他ともに認めるターニングポイントでした。そして、全女も終わってあと2週間といったタイミングでさらに調子が良くなる746と、スタート成功率が上がる大谷とコースがハマり出してめちゃ自信がついた芳賀の038も安定して前を走るようになり、直前のこの時期でチーム力が底上げされた感覚がしていました。しかし、2艇が速くなったことにより、自艇が遅くなったように感じ、自分の中でセールセットやコースに自信がなくなるのがわかりました。この時はあまり前を走るイメージができていませんでした。この焦りを決勝で上手くいくレースが来るまで持って行ってしまったことを非常に反省しています。


決勝直前の3日間では、コーチにセールやヨットレースの組み方の最終確認をしてもらったり、台風で海に出られない日はスナイプ同期5人だけで合宿所に泊まり、5人でお好み焼きを食べて仲を深めあったり、船をピカピカツルツルにして愛艇をそれぞれ愛でたりなどをして充実した3日間を過ごし、今までで一番、船とも同期とも仲が深まった状態で決勝当日を迎えました。



スナイプチームとしては、軽風レガッタを希望する届けを出していたのですが、受理されることはなく初日はオーバーコンディションの北風がぴゅうぴゅうでした。

春インカレの1レース目のリザルトが良くなかったので、全員の共通意識として、1レース目の入りをよくするという気持ちがあったのですが、春インカレと同様に3艇とも叩いて、結果的に8レース中2番目に悪い点数を作りました。春インカレの1R目が終わった後も、「自分らはあんなに頑張ったけど、所詮この程度なのか」と落ち込みかけた記憶があったので、秋インカレの1Rが終わったあとは、互いに「これが一番悪くなるから」と励まし合い、落ち着かせあっていました。うちの船(138)では、何日か前に、「もし上手くいかないレースがあったら、互いに笑える話を持ち寄って互いをリラックスさせよう」という作戦がありましたが、遠藤が話してくれることはなく、2R目を迎えました。残念です。

2R目はうちの船が上手くいき、ここでようやく僕の前を走るイメージを取り戻すことができました。しかし、746はいまだに苦しんでいる様子でしたが、レース後に声をかけても2人とも「俺は全然大丈夫」とすかした顔で言っていたので、信じることにしました。

そして迎えた3R目では、1上が5,14,15と3艇とも走ります。正直、この1上でだいぶホッとはしました。結局フィニッシュは3艇で36点。このシリーズで最もいい点数を出せました。3R目が終わった段階で5位。4R目も少し叩きますが、5位に残りAPA。しかし、10位との点差は35点差でみっちみちにボーダー争いをしている状況。そしてまだ4Rも残しているので気を抜けないなと思っていると、「138審問かけられてます」というあまりにも恐ろしいワードを聞き、血の気が引く。そしてうちの艇では、「私、審問しないので」というどこかの天才外科医のようなことを前から言われていたので、全ての審問にクルーの私が出ることに。色々な理由があるようです。幸い、昨年の秋インカレで自分の艇の審問にオブザーバーとして参加したことがあったので、なんとか審問を切り抜けて5位をキープ。春インカレの6位入賞は、やはり鮮明に残っているので、この時点で「秋も絶対に入賞する」という目標がみんなの中でより明確になりました。そして、翌日の微風予報にみんなで期待を膨らませながら就寝。


綺麗に貼ったNew大学ロゴとスポンサーさんロゴ
綺麗に貼ったNew大学ロゴとスポンサーさんロゴ
だったのに、メインあげたら一瞬で取れたNew大学ロゴ
だったのに、メインあげたら一瞬で取れたNew大学ロゴ


2日目は無風のため風待ちから始めり、470の4年などと談笑をしながら集中を高めて待機。その後、うっすら入ってきた南風で出艇。オンデッキに喜んだのも束の間、4レース目が始まると、急に吹き上がり、一瞬でオーバーコンディションに。その影響で東っ気だったのが、一気に右の南方向にシフト。3艇揃って左で展開していたため、右からのブローについていけずに、大叩き。この1上の時点で7位まで後退。再び焦りがきます。結局8Rでワーストの点数を出してしまいました。やっぱりその日のレースの入りを改善する必要があります。スタート直後で風があがりはしたが、2下の時にはすでに風速が落ち、6R目は再びオンデッキから中デッキのコンディションに。そして、2日目から746の調子が元通りに上がってきて、5,6R目は非常に助けられました。うねりが残る微風で、難しい風に自艇が翻弄されながらも、746と038が前を走ってくれて、1上で5位に浮上。その後、自艇も順位をあげ、3艇でまとまったスコアが出て、着艇した時点では6位。しかし、今度は038にプロテストがかかり、急いで準備に取り掛かりなんとか切り抜けます。ここでみんなはだいぶ安心。そして、今回はボーダー争いが熾烈なので、各所で審問があり、結果的には2日目が終わった時点で4位にまで浮上。しかし、またしてもボーダーとは50点ないくらい(だった気が)で、残り2Rでも全く気が抜けない状況でしたが、やはり目標していた「入賞」、そしてなんなら春よりも1つ上げた「5位以上の順位」を目指す気持ちをよりみんなで高めました。そして、最終日は台風の影響でレースはギリできるくらいの北風爆風が確定していたので、だいぶ悲しい気持ちでした。この日は日付が回るまでソワソワして、朝も5:30くらいに目が覚めました。


最終日は予報通り、爆風が吹き、レース委員会もやる気満々という話を聞いて覚悟を決めていました。

この日はずっとトライアングルになると思っていたのですが、2レースともトラぺゾイドに。吹っ飛ばされるような風が吹く中、1上は自艇が36位で回航しましたが、他2艇が14,22と耐えてくれていたのでここではまだ6位。しかし、そこから自艇が1下で抜いて、クローズの走り方を変えて艇速があがり、コースも決まって抜いて、リーチングと2下で抜いてとかやっているうちに、なんだかんだで1上から20艇を抜き16位でフィニッシュ。思ってた以上に順位が上がっていてびっくりしました。他2艇も12,18で46点とまとまった成績が出せました。この時点で10位から92点差があったので、コーチからも「楽しんでレースをして来い」という声ももらい、入賞を目指して楽しんでレースができて、自艇は9位フィニッシュ。あの風でシングルフィニッシュできたことは非常に嬉しかったです。

最終的な結果は5位入賞。着艇した後に、瀬高とせきたくと抱き合った時が一番嬉しかったです。

主将として多くの大変なことはありましたが、ヨットレースをしているときはヨットのことだけに集中できるところが非常に好きで、楽しい時間です。そしてインカレにおいては、自分が叩いても絶対に2艇が前を走ってくれているという信頼がおけるチームです。しかし、この信頼できるチームで楽しいヨットレースができるのも、残り2週間となりました。

今年の最初に掲げた「全日本インカレ入賞」という目標と、「全日本常連校」という長期目標のために、残り全てを出し切ってハイクアウトを頑張っていきます。


大変長いブログでしたが、ここまで読んでくださった方々は、もう僕のファンなのでしょう。

ありがとうございました。



ペアでAMELYSポーズ
ペアでAMELYSポーズ

 
 
 

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