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引退ブログ2020 ⑨

スナイプでクルーをしてました4年の井戸です.

大抵の話は同期にされてしまったので,真面目で長ったらしい話をひとつ.卒業ブログっぽくなくてすみません.


私がこの4年間で心がけていたことは「全て疑って,自分で考える」です.先輩から教わったことでも鵜呑みにせず,自分なりにアレンジしてみる.それで失敗しても,直せばいいんです.日頃から失敗するからこそ,本番で失敗しなくなります.


例えばワークの仕方を見てみましょう.タック,ジャイブ,ランチャー…どのワークであっても人によって動きが違うものです.体重も身長も違えば体の動かし方は変わります.ですから,先輩の言う通りに動いたとしても,ほとんどの場合は自分にあっていないでしょう.

1,2年生に伝えたいのは,先輩に言われた通りに物事をこなすのではなく,色々自分で変えてみて,それによって船の動きがどう変わったか,それを観察して欲しいということです.それは時には失敗するでしょうが,エジソンの名言通り,それは失敗する動きを学んだということです.


(余談ですが,私が4年間で極めたランチャーアップが,全日本インカレの動画に映ったのがめっちゃ嬉しいです)


他にもあります.1,2年生の頃は先輩の技術に圧倒されることもあるでしょう.でも,先輩の教えることには誤りもあります.部内で伝統のように引き継がれていたことが,実は間違っていたなんてこともよくあるものです.

私の印象に残っているのは1年生のときの回航動作です.東工大スナイプは(伝統的に?)非効率的な順番で回航動作をしていました.ところがトップセーラーのお話を聞く機会があり,正しい動作を学ぶことができ,10年以上に渡る悪しき伝統は絶たれたのでした.

こういった間違いに自分だけで気づくのは難しいかもしれませんが,まずは疑うことが大事です.「この動作はなんのためにあるんだろう」「この順番なのはなぜだろう」といったことをちゃんと考えて,理由を持って練習をして欲しいです.その積み重ねが成功に繋がります.


ここまで海上での話をしましたが,これは陸上でも同じことです.例えば,必要最低限の整備だけをするのではなく,より速くなるような艤装を考案する,あるいは乗りやすくなるよう改良する.こういったアレンジも重要です.

練習も整備も,こういった試行錯誤はレース数日前から間に合うものではありません.日頃から少しずつ変えてみて,「あぁこんな変化があったな,次はこうしてみよう」という学びの繰り返しが,遠回りのようで一番の近道です.レース直前に突然なにかに挑戦する(あるいは船を作り変える)というのは,大抵失敗するものです(私はこれを北島くんにひたすら言ったのですが,理解してくれなかった3年の秋インカレ).





思えば私たちの代は,どの代よりも船を壊しまくりでした.これは褒められるものでもなく,また他大学・社会人の皆様にご迷惑をおかけすることも多々あり,反省すべきことです.

マストは何本曲げたか,船は何回ぶつけたか,数えられないほどです.OB会には何度も怒られました.しまいには他大学に「東工大とは練習したくない(ぶつけられるので)」と一時期言われたこともありました.2,3年生の頃は上級生に呆れられ,チームに亀裂が出来る原因ともなりました.




(私の苦い思い出,2年夏のデスマストです.当時一緒に乗っていた岡田くんは,最後には東工大のベストスキッパーに.未来はわからないものですね)


ただし今思えば,東工大はこの時期に「予選落ち大学」から「予選通過大学」へ伸びた時期でもありました.もしかしたら,先輩方が活躍している姿を見て,私達も無理に追いつこうとして事故が多発したのかもしれません.このときこそ失敗の連続でした.

そして私たちはその失敗から学び着実に上達を重ねました.4年生になる頃には事故も減り,2,3年生の面倒を見れるようになり,全日本出場の目標も立ちました.つまり,失敗なければ今回の全日本出場もなかっただろうと思います.


何事も失敗しないほうが良いのは当たり前ですが,後輩たちにはぜひ失敗を恐れずに,何事にも挑戦して夢を掴んでほしいと思います.そして上級生は,下級生がのびのびとチャレンジできる環境を整えてあげてください.


後輩たちが全日本の舞台で活躍するのを楽しみにしています.



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